地味ながら目のつけどころが面白い

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一ヶ月ぶりに、いいサスペンス映画が回ってきた。
SF大作の上映にまぎれてなので興行が小さくなったのが残念である
CIAエージェント・エマーソン(J・キューザック)は、
任務をしくじった為に英国東部のCIA乱数放送局
(ナンバーズ・ステーション)に左遷される
特定の時間に公共電波に謎の数字や文字の羅列を
送信する乱数は、
各国の諜報機関にとって貴重な情報源でもある
半世紀以上も何事もなかったという放送局に
現在勤務する暗号作成と送信のエキスパート・
キャサリン(M・アッカーマン)の護衛がエマーソンの任務だった
最初はやさくれていたエマーソンだったが、
次第にキャサリンの穏やかな人柄にふれ、
人間らしさを取り戻していく
しかし放送局が突如襲撃され、世界中の
諜報部員暗殺という偽の乱数が送信されてしまう。
二人は襲撃を逃れ、乱数の送信を取り消そうとするが、
CIA本部はキャサリンの抹殺を命じた・・・
『知りすぎた者を消せ』というプロットは、
定期刊行物から情報源を抜き取るオシントが襲撃される
レッドフォードの『コンドル』に良く似ている。
乱数放送そのものはスパイ活動の要とも言われているらしいが、
ビジュアル的に地味なものになる上、メディアも大々的に扱いたくない
事柄らしく、興行が小さくなってしまった理由としては判らないでもない。
この映画で、もう一つ注目したいのが、
知りすぎたCIA局員を擁護するのではなく解雇するという手段だ。
企業であれば、面倒な人間は消してしまうという
リストラと似たものを感じる。
先ほど公開された韓国映画『ある会社員』では
暗殺結社に雇われたものは不要となった時に『解雇命令』が
下されるが、それは情報漏洩を防ぐために殺される事を意味していた。
映画の中では、暗号を解き、最後まで諦めず、組織と地道に
戦っていく姿が手に汗をにぎる展開がまっている。
いかにも硬派は題材を地道に選び、的をついてくる
演技派俳優、ジョン・キューザックらしい題材の選び方ともいえる。